司法書士と言えば、登記事務のスペシャリストとしてよく知られています。不動産を所有した時や株式会社等を設立した時は、その事実を登記することによって第三者に対して権利等を主張することができるようになりますが、その手続きはかなり複雑です。司法書士は国家資格を持つスペシャリストとして、依頼者がスムーズに手続きを進められるようサポートしてくれます。一般の人々にとって司法書士は、マイホームを購入する際に接する機会の多い存在です。
住宅ローンを利用する際は抵当権の設定が必須となりますが、登記を行うことによってその権利は正当なものと見なされます。また、マイホームとは縁がないという人であっても、司法書士のサポートが必要になる場面はあります。それは、不動産相続を行う場合です。親族等が亡くなってその人が所有していた土地や建物などを相続する時は、自ら購入する場合と同様に登記内容の変更手続きを行うことで所有権が移転したことを主張できるようになります。
2024年の4月からは不動産相続に伴う登記は法律上の義務となるため、手続きの重要性は増すことになります。さらに、不動産相続は一般的な住宅購入の場合と異なり、相続人が複数いることが多いため手続きはより複雑です。物件を全員で共有したり、一部の相続人だけが引き継いで他は相続放棄したりなどいろいろなパターンがあるので、それらを登記内容に正確に反映させる必要があります。そのため、専門家のサポートはいっそう重要です。